最終更新 平成26年7月
自転車は車道が原則、歩道が例外!?
そんなバカなと思われるでしょうが、本当なんです。
道路交通法第17条及び第17条の2において規定されています。
また、警察庁交通局が平成19年7月10日に「自転車の安全利用の促進について」を定めていますが、その別添「自動車安全利用五則」の中で、「自転車は、車道が原則、歩道は例外」としています。
ここまで実態を無視した法令もめずらしいと思います。車道にもよりますが、クルマがびゅんびゅん走っている車道は、自転車では怖くて走れません。命がいくつあっても足りないと思います。
クルマの方から見ても、車道を走る自転車は邪魔くさいと思うのではないでしょうか。かくゆう私も自転車で車道を走ることは、滅多にないです。ほとんど歩道を走っています。それでも、それを警官に咎められた事は一度もありません。皆さんも自転車で歩道を走って、警官に注意されたことはないはずです。というか、警官が自転車で歩道を走っているのをよく見かけます。書面(法令)では実態を無視したことを規定できても、実際の現場では常識がまかり通ります。
では、一体何が問題なのかというと、事故を起こしたときに「安全運転」をしていたかどうかが問題になります。先ほど紹介した自転車事故の高額賠償は、どうも、この「自転車は車道が原則、歩道は例外」というのが、大きく影響しているようなのです。道路交通法第17条の2を確認すると、
第十七条の二 軽車両は、前条第一項の規定にかかわらず、著しく歩行者の通行を妨げることとなる場合を除き、路側帯(軽車両の通行を禁止することを表示する道路標示によつて区画されたものを除く。)を通行することができる。
2 前項の場合において、軽車両は、歩行者の通行を妨げないような速度と方法で進行しなければならない。
と規定されています。つまり、自転車(軽車両)は、車道を通行することが原則(同法第17条第1項)であり、歩道(路肩帯)は歩行者の邪魔にならなければ通行できるが、その場合は、細心の注意を払えといっているのです。
このことから、歩道での自転車と歩行者の事故においては、自転車側に厳しい態度で臨んでいる
のが実態です。
私達が考える「安全運転」と法令が求めている「安全運転」には乖離があります。事故に巻き込まれた時、その乖離を原因とする高額な損害賠償に備えるには、自転車の保険に入るしかないのです。
しかし、このように申し上げても、「法令はアレだけど、裁判では実態に即した判決をするようになるはずだから、大丈夫」と思われるかもしれません。
とんでもありません。
今、歩道における自転車事故について、裁判官が驚愕の基準を示しているのです。
次 「過失相殺を認めない!? 恐るべき4地裁の『新基準』
」